春江院とは

当院は「大髙山(たいこうざん)」の号を持つ曹洞宗の寺院で、本尊は多宝如来です。創立は弘治2年(1556年)、大高城主・水野大膳が父・水野和泉守の菩提を弔うために開いたもので、開山は尾張横須賀・長源寺の第4世である峰庵玄祝(ほうあんげんしゅく)、開基は水野和泉守とされています。寺号である「春江院」は、水野和泉守の法名「春江全芳禅定門(しゅんこうぜんぽうぜんじょうもん)」に由来すると伝えられています。棟札によれば、現在の本堂は文政13年(1830年)、第18世・越山叟代(えつざんそうだい)の代に、竹中和泉正敏(現在の竹中工務店の九代目)によって設計され、建立されました。本堂は、大高城と向かい合うように建てられたと伝えられています。
本尊である多宝如来は、仏法の真理を守る存在であり、お釈迦様とともに並んで座る「二仏並座(にぶつへいざ)」の姿は、仏教の象徴とされています。多くの寺院では、お釈迦様とともにお祀りされることが一般的ですが、当院では多宝如来様お一人が本堂に鎮座し、お檀家様やそのご先祖様を静かに見守っておられます。