第34回2025/4/27

こんにちは。
今回は『法話』をご紹介します。 仏教ではお檀家様や布教活動でお釈迦様の教えや仏教・曹洞宗の事を分かりやすく説明する事を『法話』と言います。
そんな『法話』を今回は1つ紹介させてせていただきます。

ーー「掃除は心を磨くこと」ーー

あるお寺に、朝から黙々と掃除をするお坊さんがいました。
参拝に来た人が尋ねました。
「そんなに毎日、掃除してもまたすぐに汚れますよね?それでもやる意味があるんですか?」

お坊さんはにっこり笑って、こう答えました。
「はい、たしかにまた汚れます。でもね、掃除は“床”だけじゃなく、“心”もきれいにしてくれるんですよ。ホコリを取るように、心の中の怒りや欲も、知らず知らずに溜まっていくんです。だから毎日、掃除をして、心も少しずつ整える。仏道とは、そうした“積み重ね”なんですよ。」

 曹洞宗では、「作務(さむ)」という日常の仕事こそ修行だと教えています。
掃除、料理、庭の草取り――どれもが仏さまの教えに通じているのです。
忙しい日々の中で、つい心が乱れるときもあるかもしれません。
  でもそんなとき、ちょっと部屋を掃除してみてください。 心も少しだけ、落ち着いてくるかもしれません。 『掃除をするたびに、心が軽くなる。』 それもまた、仏さまの教えなのです。
私も以前、「汚れているから掃除をするのではなく、“掃除をする時だから”掃除をするのです」と、何気なく言われたことがあります。このお話を聞いたとき、あの言葉の意味はこれだったのかな…と、ふと思い出しました。 目に見える汚れよりも、気づかぬ心の汚れをそっと払える、そんな人でありたいですね …とはいえ、ふと我に返ると、心の中がゴミ屋敷になっていないか心配になります。