第40回 2025/7/13

こんにちは。
今回はお盆が近くなってきたので「棚経」について配信させていただきます。
お盆の時期に、僧侶が各ご家庭を訪れて読経を行う「棚経(たなぎょう)」と言うものがあります。 これはご先祖さまをお迎えし、感謝の気持ちを伝える大切な仏教行事として、多くの方になじみのある風習かと思います。
 実はこの棚経、昔は今と少し違う場所で行われていたこともあります。かつては仏間だけでなく、玄関先や土間に精霊棚(しょうりょうだな)を設け、そこにお供えやお線香を用意してお経をあげることも多くありました。玄関はあの世とこの世の境とも考えられ、ご先祖を「迎え入れる場所」として大切にされていたのです。
すこし話はズレますが、江戸時代の日本ではキリスト教が禁じられていたため、棚経が「隠れキリシタン」を見つけ出す手段として使われた時代もあったのです。住職が家々を訪ねてお経をあげる中で、仏壇がない、お経を唱えない、妙な像を置いている…などの様子から、キリスト教信者であることが疑われることがあったそうです

 このように棚経は、ご先祖を敬うだけでなく、日本の宗教や歴史の中でさまざまな意味合いをもって続けられてきました。
今私たちが行っている棚経は、平和な時代だからこそできる、心を静めて手を合わせるひととき。ぜひこの夏も、仏壇の前でご先祖さまに感謝の気持ちを伝える時間を大切にしていただければ幸いです。
当院では、8月2日から15日までお盆期間となります。10日10時45分より、本堂にて施食会を執り行います。暑い時期ですので、どうぞお気をつけてお越しください。  
 なお、以前はお経の後の読み込みでご焼香にお出でいただいておりましたが、近年の猛暑や本堂の混雑により、昨年からは読経開始後に順次ご焼香へご案内しております。  ご焼香のあと、最後までお経をお聞きいただいても、ご都合に合わせてご焼香後にお帰りいただいてもかまいません。 ご無理のないよう、体調や状況に合わせてご参加ください。

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