第33回2025/4/13

こんにちは。
今回は、本堂を正面に見て右側にある木造二階建ての建物についてご紹介いたします。
 この建物は書院の北側に位置し、屋根は伝統的な「切妻造(きりづまづくり)」、瓦葺きの趣ある造りです。東側の北寄りには玄関があり、北東の角には吹き抜けの土間が広がっています。
特に、力強く組まれた梁(はり)は、職人の技が光る見どころの一つです。  庫裡の中には広々とした畳の広間があり、かつては春や夏の行事の際に、竈(かまど)で炊いた「藤竹ご飯(とうたけごはん)」や「おうどん」を振る舞い、多くの方にお召し上がりいただいていました。現在は時代の流れと衛生管理の観点から食事の提供は行っておりませんが、行事の際の作業スペースや会議の場として活用されています。
 また、言い伝えによると、この庫裡にはかつて旧日本軍の兵隊さんが滞在していた時期もあったそうです。以前の投稿でもお書きしましたが、当院の建物は、多くの人が集う場として歴史の中で増改築を繰り返し、時代に合わせた形へと変化してきました。

しかし現在、当院老朽化が進んでおり、報恩事業の一環として修繕の準備を進めております。大切な文化財を後世に残していくため、ご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。