

書院は、本堂の西側に建つ平屋建ての建物で、本玄関を通じて本堂とつながっています。本玄関には廊下と和室があり、北側中央には格式のある式台(しきだい)が設けられています。 書院の内部は、床の間・棚・付書院(つけしょいん)がある12畳の部屋と、床の間付きの18畳の部屋から構成されており、L字型に広縁(ひろえん)が巡らされています。建具や欄間(らんま)は細やかな細工が施され、襖絵(ふすまえ)や板絵(いたえ)なども良好な状態で残されている建物です。
書院とは
書院(しょいん)は、日本の伝統的な建築様式や学びの場を指します。平安時代の貴族の住宅様式「寝殿造(しんでんづくり)」を基に、中世末期から近世初頭にかけて発展しました。
もともと書院は、儒学や禅の学び、武道の修行の場として使われ、学問や芸術を深めるための空間でした。武士や文人が屋敷内に設けることが多く、縁側や座敷、学びのための広間などが配置されていました。当院の書院は、有松絞(ありまつしぼり)の開祖・竹田庄九郎(たけだしょうくろう)氏の邸宅にあったもので、江戸時代には東海道を行き来する諸大名の休息所として使われていました。明治12年(1879年)に当山へ移築され、現在に至ります。
あわせて読みたい


春江院本玄関及び書院 文化遺産オンライン
書院は本堂の西に建つ平屋建で,その間を本玄関が繋ぐ。本玄関は廊下と和室からなり,北面中央に式台を設ける。書院は床・棚・付書院のある12畳間と床付の18畳間からな…